【土の基本をおさえる!】もう迷わない土の選び方&買い方まとめ
土の役割
土の大切さに気が付く
ガーデニングをはじめて間もないころ、室内の観葉植物にコバエがわきました。
ご飯を食べていたり本を読んでいたり、パソコンをしているときも飛んでくるコバエ。あれはまいった…
対策を調べる中で、土の排水性や肥料成分が原因であることに気が付きました。
そのときは市販の「観葉植物の土」を使用していたのですが、肥料成分が入っていたことや
鉢との相性が悪く、水が溜まりがちだったことも発生の要因であったとわかりました。
それからは無機質の赤玉土のみであったり、軽石、ヤシ繊維などを混ぜ込んだ土を使用し
水やりのタイミングに気を配るようになってからは、コバエがわくことはなくなりました。
また、あるときは赤玉土オンリーであったガーデンマムを
肥料をまぜこみ堆肥が多めのやわらかい土へ植え替えたところ、ぐんぐん成長するようになりました。
あるときは、排水性が高い土を好むクレマチスを
腐葉土多めの土へ植えたら徐々に元気がなくなり、ついに枯れてしまいました。。
その時々は土が原因だったとはあまり思いませんでしたが
こういった経験をたくさんしていく中で、
土が原因だったのかもしれないと思うことが増えていきました。
それぞれの植物にとって最低限のポイントをクリアできるような土を使うこと。
「土は植物の成長に大きく関わってくる」と、今では土の重要性を意識するようになりました。
植物にとって土とは?
植物は土の中で根を張ります。
根は、地上部を支え養分や水分を吸収する大切な働きを行っています。
土は、そんな植物の成長に欠かせない水分、養分を蓄えており
また、根を外部からの刺激や温度変化から守っています。
植物にとっての資本である根が、のびやかにすくすくと健康に成長できる環境(土)を
整えてあげることが大切です。
用土の種類と性質 <基本用土>
赤玉土
基本用土として使用されている使い勝手のよい用土。
・関東ローム層にある赤土が原料
・赤土を乾燥させてふるいにかけ、粒の大きさで分けたものが赤玉土として流通している
・通気性、保肥性、保水性、排水性に優れている
・清潔で害虫の発生が少ない
・硬質のものは高価であるが、そのぶん粒状が崩れにくい
鹿沼土
赤玉土と同じく基本用土として使い勝手のよい用土。
・おもに栃木県の鹿沼市で採掘されている
・耐久性、通気性、保肥性、保水性、排水性に優れている
・清潔で害虫の発生が少ない
・硬質のものは高価であるが、そのぶん粒状が崩れにくい
・酸性
・挿し木や挿し芽に適する
あれ?鹿沼土と赤玉土ってほとんど一緒だと思いましたよね。
実は、細かくみると下のような違いがあります。
・鹿沼土は軽石であり赤玉土よりも崩れにくい
・鹿沼土は粒にスポンジのようにたくさんの穴が空いているため、
赤玉土よりも耐久性、通気性、排水性に優れるいっぽうで、保肥性、保水性に劣る
・鹿沼土は酸性用土を好むブルーベリーや山野草、サボテンや多肉植物などに適します
赤玉土は保肥性、保水性に優れていますが、土がぎゅっと固まった粒なので
軽石である鹿沼土に比べて耐久性に劣ります。
この弱点をカバーするために、赤玉土と鹿沼土をブレンドするとgood!
通気性、保肥性、保水性、排水性に優れた用土ができあがります。
なお、鹿沼土は酸性ですが、日本の土壌は酸性より。
自生する多くの植物は酸性土壌を好むと言われています。
ブレンドする際は、2割~3割混ぜても酸性には傾かないそうですし、
実践しながら植物に合わせて配合を変えてみると良いかもしれません。
無機質であるため細菌が繁殖しにくいことや、
排水性がしっかりありつつ保水性が保たれる環境が、挿し木や挿し芽に適しています。
さらに、赤玉土に比べると「排水性がある」ことで、水分コントロールがしやすいのかなと思います。
また、長期間使用しても「粒が崩れにくい」ので、
発根したての繊細な根を傷つけるリスクが低いのも理由だと思います。
なんだか久しぶりに挿し木したくてうずうずしてきました(笑)
黒土(くろつち・こくど)
名前の通り黒色をした土。
・関東地方の火山灰土の表層土
・保水性、保肥性に優れている
・通気性や排水性に劣る
・有機物をたくさん含んだやわらかい土
・やや酸性
・土壌微生物が育ちにくいため腐葉土などで改良する
・リン酸欠乏になりやすい
・農業や植木に使用されている
水苔
苔類を乾燥させたもの。水を含ませて使用する
・排水性、保水性、通気性がよい
・やわらかく根を傷つけにくい
・水気を好む植物のほか、発根管理、苔玉、マルチング材としても使用する
・水を含むまでに時間がかかる
用土の種類と性質 <改良用土>
腐葉土
堆肥の一種
・落ち葉が堆積してできた土
・土の中の微生物が増える
・保水性、排水性が高まる
・保温効果がある
ピートモス
・主に水苔やスゲなどの水生植物が堆積して泥炭化したもの
・保水性、保肥性が高まる
・土壌を酸性に傾ける
・海外産のピートモスは国産に比べて酸性度が強い
バーミキュライト
・雲母系のひる石を原料とする
・保水性、排水性、保肥性が高い
・断熱性と保温性のバランスがよい
・用土を軽量化できる
パーライト
・多孔質で通気性、排水性に優れる
・火成岩を原料とした黒曜石パーライトと真珠岩パーライトの2種がある
・黒曜石パーライトは排水性を高める効果がある
・真珠岩パーライトは保水性を高める効果がある
・ややアルカリ性
・断熱性と保温性のバランスがよい
・用土を軽量化できる
ココピート
・ココヤシが原料で、ココナッツ果実の堅い殻の繊維を堆積&発酵させたもの
・排水性、保水性に優れる
・軽い
・水を含むまでに時間がかかる
・品質にばらつきがある。安価なものは繊維のバラツキや塩分を含んでいることがある
用土の種類と性質 <その他>
培養土
植物に合わせて用土と肥料などを配合している土。
例えば、「花と野菜の土」などと伊多くの草花に使用できるものや、
「バラの土」「観葉植物の土」「挿し木・挿し芽用」などと専門性のある土があります。
初心者の方や、自分でブレンドする時間がなかったり、こだわりがない方は
こういった培養土を使用するのがおすすめです。
まとめ
・〈基本用土〉は植物を育てる基礎となる土。
・〈改良用土〉はより植物に適した環境を作るために使用する土。
・自分でブレンドするのが難しいという方は、上記がすでにブレンドされた「培養土」がおすすめ!
土の世界はとにかく奥深い…そんな感想をいだきます。
まだまだ販売されている用土の種類がありますので、自身の勉強のために随時更新していく予定です。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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