振り返れば、サルトリイバラが大好きになった出来事だったなあと、懐かしく思います。
山の散歩でふいに大物に出会ったわけですが(笑)、その感動はひとしおです!
こばなし
山での学生生活が始まった年。
ひとりで山を散策中に全長140センチはあるサルトリイバラの蔓に会いました。
昼の2時くらい、茂みの暗い緑の中にキラリと輝く赤い粒。
滅多に出会えない極上の姿に興奮したのを憶えています。
「今、とらなきゃ二度と出会えない」と、迷うことなく剪定鋏で伐りました。
恥ずかしながら罪悪感とかは全くなく、ジョキン!
ひとりで「すごい!きれい!」と呟きながら、指に引っかけてぶらんぶらん。
採りたてを持ってみて、サルトリイバラはよくたわんで揺れる、というのを初めて知りました。
大きく鋭いトゲがあるので、人差し指に引っかけやすい。このトゲが指にちょっと食い込む感覚も気持ちいい。
写真のように色が抜けて完全にドライになった今も、良い柔軟性を持ってます。
やっぱり、リースなどの加工に向く特徴があるんですね。
さて、その散歩では4時間くらい歩いていました。
知らない土地の自然を知るのが楽しくて、わくわくしながら進んでました。
山を抜け、田んぼの間を歩いていたら、地元の70歳くらいのおばあちゃんと出会いました。
「立派なのもってるねえ!そんなの何に使うの?」と聞かれて、「すごいですよね!飾ります」と答えたら
「ええねえ」とニコニコ。かわいいおばあちゃんとの出会いが懐かしい。
それから、サルトリイバラと出会ったあの場所にもう一度行きたくて、何度か山に入ったけど、
道を覚えておらず辿り着くことはできませんでした。私が方向音痴なだけ?それとも…
山からの贈り物と勝手に意味付けて、時々眺めては愛でるのですが、本当に素敵な出会いでした。
お山よありがとう。
いつか、自分たちの家を建てるときにはこのサルトリイバラをリビングの目立つところに飾ろう、というのが
わたしの小さくて譲れない計画です。
サルトリイバラ
学 名/Smilax china
科 名/サルトリイバラ科
属 名/シオデ属
原産地/中国、朝鮮半島、日本
・雌雄異株(しゆういしゅ)のつる性落葉半低木
・雌株は秋に赤い実をつける。この実はつるやリースなどのクラフト材料として一般に流通している
・西日本ではサルトリイバラの葉を使った「柏餅」のことを「バラ餅」「イバラ餅」などと呼ぶ
※地域差あり
サルトリイバラの葉で包んだ西日本版「柏餅」
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